広島の夏
夏が近づき、朝から日差しがジリジリ暑くてセミの声がうるさいほど聞こえてくると、「あの日」もこんな感じだったのかな…と思わずにいられない。
あの日。1945年8月6日。広島に原爆が落とされた日。
雲がない好天の、朝8時15分だったというから、市民がみんな活動を始めて間もない時刻だったはず。戦時下とはいえ、ごく普通に懸命に暮らしていた人々、私と何も違わないフツーの人々が、まさにこの場所で、突然の悲劇に襲われたことを想像すると、胸が苦しくなる。
広大な平和公園や、その片隅に建つ原爆ドームは、世界的に有名で人気の観光地だ。
休日はもちろん、平日でも多くの人が見学に訪れている。神妙な顔つきな人が多いけど、景勝地のように楽しげにはしゃいでいる人も少なくない。
「原爆が落ちたのが公園で良かったですね」と言う人がいるんだと聞いたことがある。
とんでもない。今、平和公園になっている場所は、もともと公園なんかじゃなかった。広島で一番にぎやかな商業の町だったそうだ。
今日、選挙の投票に訪れた本川小学校は、川を挟んだ原爆ドームの向かい側。写真の右の方にある青いラベルで示されている場所。敷地内に被爆した校舎の一部が残っていて、無料で見学できる資料館があった。
前職場がすぐ近くで、毎日この前を通って通勤していたのに全然知らなかった。
平和公園内にある資料館とは規模が違うけど、コンパクトながら中身の濃い展示だった。
地元の人も、旅行で広島を訪れる人も、ぜひ来てみて欲しいと思った。
校舎内の壁まで焼け焦げている様子がそのまま残されていたり、すごく生々しく、当時の状況がわかる展示がされている。
もうすぐ、今年も8月6日がやってくる。日常に流されていると、平和のありがたみや大切さなんて忘れがちになってしまうけど、せめて年に一度だけでも、きちんと向き合って再認識したい。
そんなことを思った、蒸し暑い、梅雨明け間近な休日だった。
*本川小学校平和資料館(広島市中区本川町1丁目5-39)
月〜金曜(8/1〜10は曜日不問で開館)8:00〜17:00
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